自動車をもっていれば、どうしてもかかってくる維持費の一つ「自動車保険」。

けっこう高いですよね。

どんなに安くしようとしても年間で3万円程度。

ゴールド免許割引を使ったり、無事故割引が最大の20等級(63%割引)まであるなど、条件がそろっても、それくらいはします。

無事故割引が小さければ、年間で10万円を超えることも少なくありません。

高すぎる! 自動車保険を節約したい!

その気持ちは、とってもよく分かります。

保険は、事故があったときには、本当に頼りになる存在です。

示談代行サービスがついているので、相手とのやり取りをすべてやってくれます。

基本中の基本である「対人・対物無制限」になっていれば、相手の治療費がいくらになっても、相手のクルマの修理費がいくらかかろうとも、お金の心配をしなくてすみます。

保険会社が、代わりに支払ってくれるからです。

でも、事故がなければ…。

「捨てるお金なんだよなぁ。節約できないのかなぁ」

そう思うのは、自然なことですよね。

とはいえ、目先の保険料を下げたいからといって、事故のときに役に立たなければ何の意味もありません。

それこそ、もったいない。

今回は、「自動車保険を節約するポイント」をまとめます。

補償を削って安くすることは簡単ですが、事故のときに役に立たない保険になってしまっても意味がない。

そこで、今回は、現役の保険屋でもある僕が、「必要な補償を残しながら、保険料を抑える5つの方法と、やってはいけないタブー」をまとめます。

自動車保険を節約するために、やってはいけないこと

まず、自動車保険を節約するためにやってはいけないことからいきましょう。

高額な免責金額を設定する

「自動車保険 節約」なんてキーワードで検索すると、保険料を下げる方法がたくさん出てきます。

そのなかで、わりとよく書いてある方法の一つに「免責金額を設定する」というものがあります。

「免責」というのは、その言葉の通り、「(保険会社が)責任を免れる」ということです。

保険会社が払わなくていい。

つまり、「自分で負担しなければいけない金額」。

例えば、車両保険をつけているとしましょう。

保険料を下げるために、免責金額を10万円に設定しました。

クルマをこすってしまいました。

修理費が8万円です。

そうなると、この保険では1円も受け取れません。

修理費が30万円だったらどうでしょう。

そうすると、損害額30万円-免責額10万円=受け取れる保険金20万円になります。

20万円を受け取れたので良かった!…のでしょうか?

落とし穴はここからです。

自動車保険には、無事故割引というものがあります。

事故がなければ、毎年毎年、少しずつ割引がすすんでいきます。

逆に、事故があったときには、3年ほど、割引がおおきく下がります。

事故で保険をつかうと、3年ほど保険料がグッと上がるのは、この仕組みがあるからです。

そうなると、免責金額の10万円を自己負担した上に、翌年から3年ほど保険料がおおきく上がってしまいます。

免責を設定した分を自己負担しなきゃいけないし、3年間の保険料アップをはらっていかないといけない。

両方が重くのしかかってきます。

事故をしたときに、かなり負担が大きくなります。

それだけの負担を背負うのに、いったいいくら保険料が安くなるのでしょうか。

クルマによって違いますが、せいぜい数百円ほどです。

たしかに、目先の保険料はちょっとだけ下がりますが、事故をしたときの負担が、釣り合わないくらい大きいです。

保険料を抑える5つの方法

  1. いくつもの保険会社の比較をする
  2. 車両保険を見直す
  3. 「使用目的」をチェックする
  4. 重複している特約を外す
  5. (クルマが複数あれば)一つの保険証券にまとめる

1.いくつもの自動車保険を比べてみる

一番おすすめなのは、なんといってもこれです。

「条件をそろえて、いくつもの自動車保険を比べてみる」こと。

僕は、仕事柄、自動車保険の見積もりを毎日見ていますが、同じ補償なのに「こんなに違う?」と思うくらいの差が出ることがあります。

大手の保険会社でくらべても、年間1万円くらいの差がでることが普通にあります。

ネットから入る保険と、大手の保険会社の保険料はもっと違いますね。

年間2万円~3万円くらいの差がでることが多いです。

保険会社をくらべてみる方法のいいところは、「補償を削らなくていいこと」。

保険料を下げたいばかりに補償を削りに削って、事故のときに役に立たない保険になってしまっては、それこそ何の意味もありません。

補償をきちんと確保しながら、保険料を抑えるのが大事なところ。

保険会社を比べるのは、補償を削らずに保険料を抑えることができます。

2.車両保険を見直す

自動車保険には、いろんな補償があります。

そのなかで、一番おおきく保険料に影響するのは、ズバリ「車両保険」です。

自分のクルマの補償ですね。

どの保険会社でも、車両保険には3つの選択肢があります。

  • 車両保険をつけない
  • 補償の広い車両保険をつける
  • 限定補償の車両保険をつける

車両保険をつけない

これは分かりやすいですね。

「自分のクルマの補償はいらない」という選択です。

補償は手薄ですが、乗っているクルマが古くなってきたら、選択肢の一つになります。

古くなればクルマの価値が下がってくるので、車両保険をかけても30万円程度しかかけられないことがあります。

そういう場合には、車両保険を外してしまうというのも一つです。

逆に、クルマがまだ新しく、価値が残っているのなら、「つけない」はあまりおすすめできません。

どれくらい価値が残っているかを判断するのは難しいですが、一つの目安は「中古でいくらで売れるか」です。

自分のクルマと似たスペックのものが、中古車の販売サイトでいくらぐらいの値段がついているかチェックしてみてください。

50万円を切っているようなら、車両保険をつけないのも一つです。

ただ、まだ100万円、150万円ときっちり値段がついているような状況なら、なにかしら車両保険はつけておきたいところです。

2. 補償の広い車両保険をつける

2つ目の方法は、補償の広い車両保険をつける、です。

「一般車両保険」とよばれます。

一般車両保険は、自分のクルマの事故を幅広く補償します。

  • 火災に巻き込まれ、クルマがダメになってしまった
  • クルマに落書きやいたずらをされた
  • 飛び石で、フロントガラスにヒビが入った
  • 台風や洪水で、クルマが浸かってしまった
  • クルマを盗まれた
  • 他のクルマとぶつかった
  • 電柱にぶつかってしまった
  • 自転車とぶつかって、クルマにキズが入った
  • 当て逃げをされた

こういった損害をカバーします。

一般車両保険は、補償の範囲がかなり広い反面、保険料がかなり高くなります。

大まかにいえば、車両保険をつけないときの2倍くらいの保険料になります。

クルマが高級車のときには、3倍近い保険料になるケースもあります。

お金に余裕があるなら一般車両もアリですが、かなりコストがかかります。

3. 限定補償の車両保険をつける

次に、限定補償の車両保険をつける方法があります。

保険会社によって、呼び方がいろいろあるので紛らわしいですが、

  • 車対車+限定危険(損保ジャパン)
  • エコノミー車両保険(東京海上やソニー損保)
  • 10補償限定(三井住友海上、あいおいニッセイ同和)

どれも、限定タイプの(つまり、安いほうの)車両保険です。

このタイプの車両保険には、「対象外の事故」があります。

補償しない事故があることで、保険料が安くなっているわけです。

一般車両保険で対象になっている事故をもう一度見てみます。

  • 火災に巻き込まれ、クルマがダメになってしまった
  • クルマに落書きやいたずらをされた
  • 飛び石で、フロントガラスにヒビが入った
  • 台風や洪水で、クルマが浸かってしまった
  • クルマを盗まれた
  • 他のクルマとぶつかった
  • 電柱にぶつかってしまった
  • 自転車とぶつかって、クルマにキズが入った
  • 当て逃げをされた

このうち、線が引いてある損害が対象外です。

  • 自損事故
  • クルマ以外との接触(相手が自転車など)
  • 当て逃げ(相手車がわからない)

こういった事故が、対象外です。

ただ、対象外というのは、あくまで「車両保険」(自分のクルマの補償)の話。

自動車保険の「対人」や「対物」は、きちんと対象になります。

例えば、自転車とぶつかってしまって、相手がケガをしてしまい、相手の自転車も壊れてしまった場合。

相手の治療費は「対人」で払うことができますし、相手の自転車の修理費は、「対物」で対応できます。

自分のクルマのキズの修理費が対象外になります、ということです。

限定型の車両保険は、僕が保険屋として事故対応をするなかで、「コスト」と「メリット」のバランスが一番いいと感じます。

今、現在、車両保険が一般車両になっているようであれば、限定型の車両保険に変えるだけで、かなり保険料が下がります。

「使用目的」をチェックする

よく勘違いされるポイントに、自動車保険の「使用目的」があります。

  • 日常・レジャー使用
  • 通勤・通学使用
  • 業務使用

この3つの分類になっているケースが多いです。

ポイントは、この使用目的は「メインの利用法」だということ。

日常・レジャーにしていても、通勤にまったく使えないかといえばそんなことはありません。

普段は、自転車で通勤しているけれども、たまたま雨の日だけクルマを使って通勤する」といった形なら、日常・レジャーで大丈夫。

あくまでメインの利用法が問題です。

もう少し具体的にいうと、月に15日以上使うようであれば、その利用法にあわせないといけないことになっています。

なので、日常・レジャー使用でも、週に2日くらいであれば通勤・通学で使っていても問題ありません。

もしときどきしか利用しないのに「通勤・通学」になっているようなケースがあれば、見直すことで保険料を下げることができます。

4. 重複している特約を外す

自動車保険の特約には、重複するものがあります。

  • 弁護士費用特約
  • 人身傷害車外事故補償
  • ファミリーバイク特約
  • 個人賠償責任特約(日常生活賠償責任特約)

弁護士費特約や、人身傷害の車外事故補償、ファミリーバイク特約は、一緒に住んでいる家族のクルマのうち、どれか一つについていれば十分です。

例えば、夫用のクルマと妻用のクルマの2台があるという状況を考えてみます。

このとき、夫のクルマに弁護士費用特約がついています。

妻のクルマには、つけていません。

そんななか、妻のクルマが追突される事故があったとします。

相手の保険会社から連絡がありましたが、その対応に納得がいきません。

このとき、夫のクルマの弁護士費用特約を使うことができます。

もし重複している特約があれば、外すことで安くできます。

弁護士費用や人身傷害車外事故補償は、年間で数千円。

ファミリーバイクの場合には、年間で数万円の保険料が節約できるはずです。

また、個人賠償責任保険(日常生活賠償責任保険)は、いろんな保険につけることができる特約です。

自動車保険にも、火災保険にも、傷害保険にもつけることができます。

便利な反面、気づかないあいだに「火災保険と自動車保険の両方についていた」なんてことがありますのでチェックしてみてください。

5.一つの保険証券にまとめる

一家でクルマを何台か持っているようであれば、一つにまとめることで安くすることができます。

ミニフリートと呼ばれたりします。

まとめることで、3%程度の割引に加えて、分割払いの割増(5%程度)がかからなくなります。

2台あれば、2台ともにこの割引がかかるので、けっこう大きいです。

これも、補償を一切削ることなく、保険料を下げることができる方法です。

まとめ

保険は、何もなければ捨てるお金。

少しでも保険料を抑えたいのは自然な気持ちですよね。

そうはいっても、事故をしたときに役に立たない保険になってしまっては、それこそもったいないです。

なるべく必要な補償を残しながら、うまく保険料を抑えたいですね。